フルートを吹くと、すぐに唇が疲れて音が出なくなるという人は多いと思うので、今回はその対策とアドバイスです。
これには、大きく分けて二つの原因が考えられます。
一番目の原因は、フルートで音を出すために必要な口の周りの筋肉が、全く鍛えられていないことが考えられます。
二番目の原因は、フルートを唇に当てる位置が正しくないことです。
フルートの超初心者の場合は、間違いなく一番目の問題が原因です。
この問題は全てのフルート初心者の人にとって共通の問題なので心配要りません。
この問題を解決するには、ロングトーンの練習をたくさんやって口の周りの筋肉を鍛える運動をやれば遅い人でも半年も一生懸命やれば1時間以上ぶっ通しで吹いても、唇が疲れて音が出せなくなるようなことはなくなります。
問題なのは二番目のフルートを唇に当てる位置が悪いことが原因の場合です。
もしあなたが、すでに半年から一年以上フルートをやっているのに、30分から1時間以上ぶっ通しで演奏すると音が出しにくくなると感じるなら、二番目の問題が原因である可能性が大きいです。
ちなみに、僕の場合は一時間くらい吹いた頃が一番調子よく音が出せます。
3時間くらいぶっ通しで吹くと、唇よりも体全体が疲れてきて段々音が出しにくくなります。でも少し休憩すれば、また回復して音が出せるようになります。
一番目の問題を解決するためには、初心者の場合、最低でも3ヶ月以上の長い時間が必要ですが、二番目の問題を解決するには場合、正しくやれば、一ヶ月以内でほとんど解決させることが出来ます。
ただし、人によぅてはかなりの勇気を必要とするかもしれません。
それはある程度長い間吹き慣れてきたマウスピースを当てる唇の位置を変えるのは、やはり抵抗を感じるからです。
特に、先生や先輩などからフルートのマウスピースは唇の真ん中に当てて吹かないと駄目!
と教えられてきた方です。
先生や自分より随分上手な先輩たちが言うのだから間違いないだろうと信じてしまうからです。
これが実は、多くの人がフルートが思うように上達できない最大の原因だと僕は思っています。
なぜかと言うとフルートの全音域で軽々と音を出すことが出来ないと、長時間難しい曲を練習する気になれないからです。
逆に音を出すことに苦労しない人は、難しい曲もフィンガリングさえ正しく出来るようになりさえすればいいので、楽しく楽譜を読むことに集中して練習できるので、曲をマスターするスピードが早くなり、長時間の練習が苦になりません。
これは、僕が昔音を出すのにものすごく苦労していた頃と、力まなくても簡単に音が出せるようになった今と比較して感じることなのです。
フルートは、音さえ思いどおりに自由に出せるようになれば、ピアノやバイオリン、クラシックギターなどに比べるとものすごく曲の演奏は簡単です。
それらの楽器のように、指の位置をずらさなくてもいいからです。
もちろん曲にもよりますが、同じレベルの曲ならと言う意味です。
なので、フルートが早く上手に成れた人は、ほとんどの場合、早く楽に音を出す方法を自分なりに見つけた人だと思います。
さもなければ、先生や先輩などが教えてくれた吹き方がたまたま自分に合っていた人です。
練習量の差だけではないはずです。
唇の形や歯並びなどは人それぞれみんな違うので、ラッキーな人とそうでない人の違いがどうしても出てくるだろうと思います。
なので、唇の形が生まれつきフルートを吹くのに適した形をしている人は、ほとんど苦労しなくてもフルートは簡単に音が出せるようになると思います。
ところが、そうでない人はフルートの音を出すのに物凄く苦労することになります。
僕の場合は後者の方で、フルートで楽に音を出せるようになるのにものすごく苦労しました。
だからこうして、フルートの音の出し方の記事をいろんな角度からひつこく何度も書いているわけなんです。
一見して、唇の形が曲がっている人とか、左右対称の形をしていないとか、そういう人は唇の真ん中で吹かない方が良いと言うのは簡単に想像がつきますが、綺麗に左右対称の形をした唇の人は真ん中で吹くのが一番良いようにだれでも思うと思います。
これが多くの人がフルートのホールを唇の真ん中にあてて吹き始めるという、ごく自然な現象だと思います。
ぼくも唇の形は日本人としては、平均より少し厚めでですが、形状は綺麗に左右対称の形をしています。
だから当然ど真ん中で吹くのが一番いいと思っていました。
それと、中学のときにやっていたトロンボーンは唇のど真ん中で吹いていて全く問題なかったということもあると思います。
なので、フルートの場合も当然のように唇のど真ん中で吹いていて何の疑問も感じることが無かったのです。
でも、いつまでたっても楽に高音域の音を軽々と出すっことが出来るようにならないので、自分の吹き方のどこが悪いのか真剣に研究することにしたのです。
それから、単にロングトーンの練習をするだけではなくて、普段使っている以外の口の周りの筋肉も鍛える必要があると思ったので、口の回り全体の筋肉トレーニングをやるようにしたのです。
そのことは、練習法の所で詳しく書いているのでそちらを読んで下さい。
その訓練のお陰で、僕はかなり思いどおりに唇の筋肉を自在にコントロールできるようになったのです。
それで、かなり高温の音とかも綺麗に出せるようになってきたのですが、それでも何となく音に力みが感じられて、どうしても風を切るような音や、鈍い感じの音しか出せないのです。
どうして自分はプロのフルーティストのような綺麗に澄んだ音が出せないんだろうと悩んでいました。
プロが演奏したCDなんかを聞くとあんなクリアな音が出せるのは練習量がやっぱり何倍も違うからなんだろうなと思っていました。
ところが、YouTubeとか見ていると中には小さな子供でも軽々と高音域の音を綺麗に出したり、重低音の迫力のある低音の音を出すことが出来る人がいるので驚きました。
曲の演奏は僕と比べて上手とはいえないレベルなので、僕以上にフルートの吹き方を猛訓練しているとはどうしても思えないのです。
なので、これは音の出し方に何か絶対に秘密があると思って、それから上手な人が吹いている口の形やフルートの位置などを動画や写真を見て研究したのです。
それで分かったことは、一流のフルーティストは白人が圧倒的に多いと言うこと、その中でも、唇の中央がが平たく薄い人です。
例えば、ジェームス・ゴールウェイなどは典型的なフルート向きの唇の形をしていると思います。
もしかしたら本人はそのことに気付いていないかもしれません??
つまり、フルートを吹くには唇が薄くて中央が平たい人が圧倒的に有利だと言うことなのです。
では、そういう唇の形をした人しか上手になれないのかと言うと、そうでもないことも分かりました。
唇がかなり厚くて、くちばしがとがっている人でも、中には凄く綺麗な音を出す人もいます。
そういう人はどんな吹き方をしているのか観察した所、ほとんどの場合そういう人達は唇のど真ん中で吹いて、い・な・い、と言うことが分かったのです。
そして、単に横にずれた位置で吹いているだけではなく、上下の唇も左右にかなりずれた常態で吹いているのです。
僕はこれだと思いました。
唇が薄くて中央が平たい人は唇の真ん中でごく自然な形で吹くのが一番いい音が出せるのです。
ところが、それ以外の形をした唇の人達はそういう唇の形をした人と同じ吹き方をしたのでは良い音が出せないのだと言うことが判ったのです。
それで、鏡の前で自分の唇の形を観察して見ると、僕は日本人のほぼ平均的な唇の厚さなので、白人の薄い唇の人と比べるとかなり厚い唇の形をしています。
そして、上唇のくちばしもかなりとがっていて、どう見ても唇のど真ん中に綺麗な丸い空洞を作るのは難しい形をしていることが、鏡を見ると明確になりました。
当然ですが、くちばしの突起が邪魔になって、どうしても唇の中央に綺麗な楕円形の形を作ることが出来ないのです。
綺麗な丸い形を作ろうとすると、口笛を吹くときのように口先を前にかなり突き出してやる必要があるのです。
口笛はこれで吹けるのですが、ひょっとこのような口の形ではフルートは音は出せないですよね。
そこで、鏡を見ながら唇に出来るだけ力を入れない状態で、丸い穴を作るにはどの位置がいいのか唇を色々動かしながら観察して見ました。
それで判ったことは、上唇はくちばしの左横のカーブを利用し、下唇は中央の凹んだ部分を利用して、上下の唇を左右にズラスことによって唇に全く力を入れなくても、自然に卵型の隙間が出来る位置があることを発見したのです。
(人によっては、左利きの人がいるように、くちばしの右側の方がやりやすく感じる人がいるかもしれません。)
唇に全く力を入れていないのに、綺麗な楕円形の孔を作ることが出来ているのです。
この自然に出来た形を利用しない手は無いと思いました。
それで、実験的にフルートの位置を普段よりかなり左横にずらして、上下の唇も左右にかなりずらして、吹いてみたところ予想以上に簡単に高音域の音だ出せたのです。
やっぱりこれだと思って、それからその唇の形とフルートの位置が違和感を感じなくなるまで、時々鏡を見てチェックしながら練習することにしました。
それから一ヶ月ほどたつとその位置で吹くことに全く違和感を感じなくなって、むしろその位置のほうが唇の中央のように感じられるようになって来ました。
人間の体と言うのはものすごく柔軟性があるなと感じました。
人間の体は柔軟性があるので、物理的に不合理な出っ張りのある形をした唇の中央でも訓練することによって、ある程度は良い音が出せるようになるのです。
でも、それだったら最初から物理的でより合理的に、丸い形を作ることが出来る部分があるならはそれを利用するれば、もっと楽に理想的な丸い形が作れるだろうということは、明白だと思います。
なので、一番重要なことは最初に一番合理的に唇の孔の形を作れる位置を見つけてから、その位置で更に理想的な形に形を整えていく訓練をすべきだと言うことです。
でないと、最終的に頭打ちが来るレベルが随分変わってくると言うことなのです。
どうでしょうか、僕の言うこと多分納得していただけたのではないかと思います。
もし、納得できると思った人はこれから、自分の唇の中でどの位置がフルートを吹くのに一番理想的な形をした位置なのか鏡を見ながら探し当てるようにして下さい。
そのときに注意することは、マウスピースのホールへの息の吹き込み方は、ホールの正面の壁のエッジに向けてではなく、これも左の角に向けて息を吹きつけることになります。(くちばしより右側に孔を作った人は当然右の角になります)
どっちらにしても、正面の壁のど真ん中を目指して吹き付けてはいけないということです。(もちろん例外はありますが、ここでは長くなるのでお話ししません)
そして、意識としてはホールの壁のエッジに当てるのではなく、ホールの真下に吹き込むようにすることです。
物理学の理論上ではもちろん、息がホールのエッジに当たって息の流れが二つに分かれることによって音が発生するわけなのですが、意識としてはホールの中に息を落とし込むように吹かないと、上手く息がエッジに当たってくれないのだと思います。
だから、心理的なトリックを使って肉体の筋肉の動きを騙してやる必要があるわけなんです。
このことを理解したうえで、唇の孔の位置と形を整えることも需要です。
そして、意識した自分の唇の形と実際に鏡で見た時のギャップがどのくらいなのかを知って、どの様に意識したときに実際にはどのような形になるのかを、把握しておくと、意識で唇の形を正確にコントロールしやすくなります。
どの位置が最も理想的な位置なのかと言うのは人それぞれなので、正確にどこだと言うのを他人が指示できないので、フルートの吹き方を初心者に教えるのは難しいのですね。
だから、多分多くの人がだれからも指摘されずに間違った非効率な位置でフルートを吹き続けることになり、なかには自分にはフルートは向かないと思って諦める人も多いのではないかと思うのです。
ですから、早い時期にこのことを知るのと、知らないとでは、あなたのフルートプレヤーとしての将来がかなり変わってくると思います。

