ジェームスゴールウェイの吹いてるフルートは?
2009年11月12日 00:00
| ゴールウェイのビデオレッスン
今回はひさびさに「ゴールウェイのビデオレッスン」の解説をします。
リオはジェームスゴールウェイがどんなフルートを吹いているのか気になっていました。
ゴールウェイ好きのフルート吹きの方なら多分みんなそうだと思います・・・。
今日久々にYouTubeで「ゴールウェイのビデオレッスン」を見ていると、以前にはアップされていなかったビデオクリップがいくつかアップされていたので嬉しくなりました。
そのレッスン中で、会場の生徒がゴールウェイ先生に「フルートは何本持ってるんですか?」という質問に答えて、「そうだねぇ・・20本以上は持っているね」と答えた後、最初に持ったフルートのことから今使っているフルートのことまで詳しくお話しているシーンがありました。
とても参考になると思うのでこれから簡単な訳と解説することにします。
訳: 私が良いフルートといえるものを持つ前の最初のフルートはセルマーでした。
約40年も前のことですから今はもっと良くなっていると思います。
このセルマーのフルートは本当にデザースター(災難)ものでした。
このフルートは部品の取り付けがとても貧弱で、吹いているときに部品が外れてしまうのです。これはプレヤーにとってはとても危険なことです。
ある日私の父が、「EJアルバート&ブラッソルス」というフルートを、父の友達から買ってくれました。これはとてもいいフルートでした。
このフルートは大学の最初の2年間を通して使いました。
私はそのあと、ロンドンでいくつかのオーケストラやアマチュアのオペラ団体などに所属して、そこで新しい「ヘインズ」のフルートを買うのに十分なお金を作ることが出来ました。
その時の最初の「ヘインズ」はクローズドカバードキーのオフセットGキーで最低音がドまでのものでした。それを約1年ほどパリのコンサーバトリーなどで使いました。
そして、21歳の時私はオペラの楽団フルーティストになったのですね。
そのあと「クーパー」というメーカーのフルートを買いました。インラインのオープンホールで最低音がB(シ)のものでした。(H足部管付き/Bフットジョイント)
当時のロンドンではみんなクローズドカバードキーのものを使っていました。
その当時はオープンホールキーのフルートというのは全然ファッショナブルじゃなかったのです。
そんな当時、ジェフィーやウイリアムベネットはすでに「ルイラット」のオープンホールキーのフルートを吹いていたのです。
そこで私は「クーパー」のオープンホールキーのものを使うことにしたのです。
でも、私はその「クーパー」のフルートにはとても手を焼かされたのです。
それは、今から30年も前のことなので、パッドの品質が悪くてフルートへの取り付けが難しく、パッドの密着性が良くなかったので確実に音を出すのに苦労したのです。
今はパッドの品質が良くなっているのと、取り付け技術が向上しているので、パッドの取り付けはそれほど難しいことではなくなっているのですが、当時はパッドを完璧に取り付けるのはとても難しい技術だったのです。
そこで、わたしは「ムラマツ」のフルートを使うことにしました。それは私にとってパッドがいつも完璧に調整されていることがとても重要なことだったからです。
その点、「ムラマツ」はフォードの車のように街角ごとにある、どの修理やさんに持っていっても、完璧に修理してもらうことが出来ました。
当時の私には音質よりも、そのようなフルートのメカニカルなコンディションの信頼性の方が重要だったのです。
私がベルリンハーモニーオーケストラに所属していた時に、ミスタークーパーが私のために特別に作ってくれたフルートがあります。
それは私の今までの生涯を通して最高のものでした。それには全く疑いの余地はありません。
ただし、そのクーパーのフルートには一つだけ問題がありました。
それは、チューニングトーンのラの音がA445に作られていたからなのです。
でも、最近またクーパーのフルートを吹き始めようかなと思っているんです。
その理由はA445からA443にピッチをさげて吹くのは簡単なことだからです。
でもまだ多くのオーケストラではチューニングトーンをA440で演奏することがあるんですね。
そこまで低いと、あのA445のクーパーで演奏するのはもう無理なんですね。
ところが最近のオーケストラは高いチューニングピッチを要求することが多くなりました。
そんな時は普通のA440のフルートじゃ頭部管を目いっぱい差し込んでもまだダメなこともあります。
私はA442のフルートもいくつか持っていますが、それでもときにはダメで、唇を調整してピッチを上げて吹く必要があったりします。
今、ミスターナガハラにお願いしてA444のフルートを作ってもらおうかなとか考えています。まあ、これはまた別のプロジェクトということになりますけどね。
(注:このフルートのチューニングピッチのお話の部分は、リオの解釈で相当の説明を加えた訳になっています。要は現代のオーケストラなどでは、A=440の標準高度よりもやや高いA=442〜444ヘルツで演奏されることが多くなったので従来のフルートよりピッチの高いものが要求されるようになったということが言いたいのだと思います。)
ある日、デンマークからミスターブローガーというフルート製作者が私のところにやってきました。
そして彼が私に紹介してくれたのは、彼が特別に作った世界にたった一つだけという総金製のフルートでした。それで私はそれを買ったのです。
そしてそれを日本の「ムラマツ」に持っていって見せてやることにしました。そしてしばらくして「ムラマツ」からそのブローガーのフルートが私のところに返されてきました。
その後しばらくしてから、「ムラマツ」ではなく「ミヤザワ」が完全なブローガーシステムのフルートを作りはじめることになったのです。
でも私は「ミヤザワ」のヘッドジョイント(頭部管)には関心ありませんでした。
それから、「ナガハラ」というメーカーのフルートを知りました。吹いてみるとものすごく良く出来たフルートでした。
「ナガハラ」のフルートもまた独特の特殊なメカニズムになっていました。
それは私の好みにぴったりの感覚でした。指使いがとてもスムーズで簡単に出来るように工夫されたメカニズムなっているのです。
私のような年になると、指使いがスムーズで簡単なことはとても重要なんですね。(笑い)
だから私は、今は「ナガハラ」のフルートを愛用しているのです。べつにナガハラとビジネス契約をして宣伝料をもらったりなんてことはしてませんよ。
「ムラマツ」に関しても私はビジネスの契約などしたことはありません。
私が「ムラマツ」のフルートを吹いていたときは、その当時そのフルートが私の要求に一番合っていると思ったからです。
当時は「ムラマツ」が世界で一番いいフルートメーカだったからです。
いまでは様々なフルートメーカーが新しいアイデアで「ムラマツ」よりいいフルートを作るようになって来ました。
その一つに「ナガハラ」があります。
ミスターナガハラはブティック的なフルートメーカーです。
年に70本から200本ほどのフルートしか作りません。
ムラマツのような大きなメーカーでは年に4000本以上のフルートを作るのです。
その違いは、ハンドメードのロールスロイスと、フォードの高級車の違いに例えてみると、私の言っている意味が理解できるんじゃないでしょうか・・・
リオはジェームスゴールウェイがどんなフルートを吹いているのか気になっていました。
ゴールウェイ好きのフルート吹きの方なら多分みんなそうだと思います・・・。
今日久々にYouTubeで「ゴールウェイのビデオレッスン」を見ていると、以前にはアップされていなかったビデオクリップがいくつかアップされていたので嬉しくなりました。
そのレッスン中で、会場の生徒がゴールウェイ先生に「フルートは何本持ってるんですか?」という質問に答えて、「そうだねぇ・・20本以上は持っているね」と答えた後、最初に持ったフルートのことから今使っているフルートのことまで詳しくお話しているシーンがありました。
とても参考になると思うのでこれから簡単な訳と解説することにします。
訳: 私が良いフルートといえるものを持つ前の最初のフルートはセルマーでした。
約40年も前のことですから今はもっと良くなっていると思います。
このセルマーのフルートは本当にデザースター(災難)ものでした。
このフルートは部品の取り付けがとても貧弱で、吹いているときに部品が外れてしまうのです。これはプレヤーにとってはとても危険なことです。
ある日私の父が、「EJアルバート&ブラッソルス」というフルートを、父の友達から買ってくれました。これはとてもいいフルートでした。
このフルートは大学の最初の2年間を通して使いました。
私はそのあと、ロンドンでいくつかのオーケストラやアマチュアのオペラ団体などに所属して、そこで新しい「ヘインズ」のフルートを買うのに十分なお金を作ることが出来ました。
その時の最初の「ヘインズ」はクローズドカバードキーのオフセットGキーで最低音がドまでのものでした。それを約1年ほどパリのコンサーバトリーなどで使いました。
そして、21歳の時私はオペラの楽団フルーティストになったのですね。
そのあと「クーパー」というメーカーのフルートを買いました。インラインのオープンホールで最低音がB(シ)のものでした。(H足部管付き/Bフットジョイント)
当時のロンドンではみんなクローズドカバードキーのものを使っていました。
その当時はオープンホールキーのフルートというのは全然ファッショナブルじゃなかったのです。
そんな当時、ジェフィーやウイリアムベネットはすでに「ルイラット」のオープンホールキーのフルートを吹いていたのです。
そこで私は「クーパー」のオープンホールキーのものを使うことにしたのです。
でも、私はその「クーパー」のフルートにはとても手を焼かされたのです。
それは、今から30年も前のことなので、パッドの品質が悪くてフルートへの取り付けが難しく、パッドの密着性が良くなかったので確実に音を出すのに苦労したのです。
今はパッドの品質が良くなっているのと、取り付け技術が向上しているので、パッドの取り付けはそれほど難しいことではなくなっているのですが、当時はパッドを完璧に取り付けるのはとても難しい技術だったのです。
そこで、わたしは「ムラマツ」のフルートを使うことにしました。それは私にとってパッドがいつも完璧に調整されていることがとても重要なことだったからです。
その点、「ムラマツ」はフォードの車のように街角ごとにある、どの修理やさんに持っていっても、完璧に修理してもらうことが出来ました。
当時の私には音質よりも、そのようなフルートのメカニカルなコンディションの信頼性の方が重要だったのです。
私がベルリンハーモニーオーケストラに所属していた時に、ミスタークーパーが私のために特別に作ってくれたフルートがあります。
それは私の今までの生涯を通して最高のものでした。それには全く疑いの余地はありません。
ただし、そのクーパーのフルートには一つだけ問題がありました。
それは、チューニングトーンのラの音がA445に作られていたからなのです。
でも、最近またクーパーのフルートを吹き始めようかなと思っているんです。
その理由はA445からA443にピッチをさげて吹くのは簡単なことだからです。
でもまだ多くのオーケストラではチューニングトーンをA440で演奏することがあるんですね。
そこまで低いと、あのA445のクーパーで演奏するのはもう無理なんですね。
ところが最近のオーケストラは高いチューニングピッチを要求することが多くなりました。
そんな時は普通のA440のフルートじゃ頭部管を目いっぱい差し込んでもまだダメなこともあります。
私はA442のフルートもいくつか持っていますが、それでもときにはダメで、唇を調整してピッチを上げて吹く必要があったりします。
今、ミスターナガハラにお願いしてA444のフルートを作ってもらおうかなとか考えています。まあ、これはまた別のプロジェクトということになりますけどね。
(注:このフルートのチューニングピッチのお話の部分は、リオの解釈で相当の説明を加えた訳になっています。要は現代のオーケストラなどでは、A=440の標準高度よりもやや高いA=442〜444ヘルツで演奏されることが多くなったので従来のフルートよりピッチの高いものが要求されるようになったということが言いたいのだと思います。)
ある日、デンマークからミスターブローガーというフルート製作者が私のところにやってきました。
そして彼が私に紹介してくれたのは、彼が特別に作った世界にたった一つだけという総金製のフルートでした。それで私はそれを買ったのです。
そしてそれを日本の「ムラマツ」に持っていって見せてやることにしました。そしてしばらくして「ムラマツ」からそのブローガーのフルートが私のところに返されてきました。
その後しばらくしてから、「ムラマツ」ではなく「ミヤザワ」が完全なブローガーシステムのフルートを作りはじめることになったのです。
でも私は「ミヤザワ」のヘッドジョイント(頭部管)には関心ありませんでした。
それから、「ナガハラ」というメーカーのフルートを知りました。吹いてみるとものすごく良く出来たフルートでした。
「ナガハラ」のフルートもまた独特の特殊なメカニズムになっていました。
それは私の好みにぴったりの感覚でした。指使いがとてもスムーズで簡単に出来るように工夫されたメカニズムなっているのです。
私のような年になると、指使いがスムーズで簡単なことはとても重要なんですね。(笑い)
だから私は、今は「ナガハラ」のフルートを愛用しているのです。べつにナガハラとビジネス契約をして宣伝料をもらったりなんてことはしてませんよ。
「ムラマツ」に関しても私はビジネスの契約などしたことはありません。
私が「ムラマツ」のフルートを吹いていたときは、その当時そのフルートが私の要求に一番合っていると思ったからです。
当時は「ムラマツ」が世界で一番いいフルートメーカだったからです。
いまでは様々なフルートメーカーが新しいアイデアで「ムラマツ」よりいいフルートを作るようになって来ました。
その一つに「ナガハラ」があります。
ミスターナガハラはブティック的なフルートメーカーです。
年に70本から200本ほどのフルートしか作りません。
ムラマツのような大きなメーカーでは年に4000本以上のフルートを作るのです。
その違いは、ハンドメードのロールスロイスと、フォードの高級車の違いに例えてみると、私の言っている意味が理解できるんじゃないでしょうか・・・
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持っています。オークションでオーストリアから買い入れたものですが、ゴールウェイ氏が若いとき使っていたものと同じ職人さんの手によるものだとしたら、感激です。正月早々素敵な偶然にめぐり逢えてとても嬉しいです。これからも時々お邪魔します。よろしく!
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