フルートと英語の関係Part6: 発音記号レベルの発音練習の重要性について
リオです。
先回は、英語の発音練習は単語やフレーズレベルだけでは駄目で、発音記号レベルでやることが重要
だと言うお話をしました。
ふつうの学校や英会話教室では発音記号レベルでの発音や発声の練習はしないと思います。
英語の授業で、毎回発音や発声の練習を20分も30分もやると授業が進まないので学校ではそんな
ことはできないのが当然でしょう。
歌の発声練習なんかもで音楽の授業中に20分も30分毎回するところは無いはずです。
では、ブラスバンドやコーラスの部活動ではどうかと言うと、曲の練習をする前にみんな20分以上
ウオーミングアップを兼ねたロングトーンや発声練習をしているはずです。
僕が中学生のときに入っていたブラスバンドでは、全員学校に1時間早く登校して、曲は一切吹かずに
ロングトーンやタンギングやスケールの練習をやっていました。
放課後も、曲の練習をする前にロングトーンの音だしを20分ほどはやっていました。
朝は全員一列に並んでやるので、遅れていくと目立つし先輩からにらまれるので、あまり遅れていけない
のです。
宿題が終っていなくても、あせる気持ちを抑えて朝のロングトーンの練習にはきっちりと参加しました。
そのおかげで、トロンボーンは上手になりましが、
勉強のほうは好きな科目だけが良くて嫌いな科目は悲惨というデコボコ成績でした。
その中でも英語は悲惨中の悲惨な学科となっていきました。
今から思えば、あの時ブラスバンド部なんかに入らないで、英語〇〇クラブとかにでも入っていれば,
後に英語でそれほど苦労しなくてすんだであろうし、少なくとももっと実益があったのでは・・?
と悔やみます。
当時の僕には、とにかく学校の授業と試験前の一週間以外に家で宿題以外に英語の勉強をしている
人間がいること自体想像できませんでした。
授業で英語ができるやつを見て、なんであんなに頭がいいのだろうと思っていました。
愚かでした。
アホでした。
もし、今僕がやっている英語の勉強法で、ブラスバンドで費やした時間とエネルギーを持ってすれば、
中学校の3年間で、日常会話程度の英語ならペラペラになれたと確信します。
タイムマシンがあったら帰りたいという気もしますが、試験勉強をまたやるのかと思うとゾッとするので
中学生時代に帰りたいなどとは思いませんが・・・・。
日常英会話程度の英語なら、頭の良し悪しはほとんど関係なくだれれも出来るようになるいと思います。
記憶力良い人は文法の勉強をほとんどしなくてよもいというだけです。
問題は、「自分の能力や性格にあった英語の勉強法を見つけられるかどうか」これに尽きるでしょう。
偶然に、自分にあった先生や勉強法に出会うことができた人は、苦労を感じずに英語ができるように
なります。
でも、運悪く自分にあった勉強法が見つけられなかった場合、どんなに努力しても上達しないばかりか、
英語嫌い、ひいては英語恐怖症に陥っていくことになります。
学生時代の僕がそうでした。
今のぼくは、英語ペラペラといえますが、学生時代より頭が良くなったなんて全く思えませんし、
記憶力はさらに悪くなったなと感じています。
英語は駄目だけど、日本語ならペラペラだといえる人なら、英語もやり方しだいで必ず日本語と
同程度にならペラペラになれることを最低限保障しているということです。
自分の頭の悪さを嘆く必要なんて、全くないです。
では、日本語ができる頭があるのに、英語は日本語の100分の1も出来ないのはなぜなのか?
これなんです。 問題は!!!!。
それは、3歳くらいまでの言語能力形成時期に英語の基礎言語能力を身に付けることをしなかったから
です。
では、生まれてから3歳くらいまでに形成されると言われている、英語での基礎言語能力とは
何でしょうか?
英文法の基礎と言われる5文型の構造が頭の中に出来上がるのでしょうか?
そんなことはあり得ないですね。アメリカ人の5歳くらいの子供にSVOCって何?
と聞いたら、反対に [What's That?] と聞かれるでしょう。
日本人が中学校で習う基本英単語をマスターしているということでしょうか?
これも「No!」ですね。
では何をもって、3歳のアメリカ人の子供はすでに英語の基礎言語能力を形成していると言える
のでしょうか。
それは、今までに何度も話してきた、英語の「発音脳力」のことですね。
それ以外の何物でもないと言うことです。
ここで、ひとつ注意してほしいことは、「発音能力」=「聞き取り能力」だということです。
アメリカに限らず英語圏に生まれ育った子供たちは3歳にして英語の「発音」と「聞き取り」の能力の
基礎が形成されていると言うことです。
音楽でいう、「絶対音感が脳の中に形成される」ということにほぼ等しいことだと、僕はと思います。
でも、絶対音感が頭の中に形成されている人が全て一流の演奏家や、作曲家になれるわけでは
ありません。
それは、絶対音感とはあくまでも機械的な要素であって、芸術的要素や他の才能とは何の関係も無い
からです。
絶対音感を持っている人でも、芸術的感性を磨かなければ一流の芸術家には成れないのですね。
英語も同じです。
子供のときに英語の完璧な発音と聞き取り能力が形成されているはずのアメリカ人が、みんな一流の
小説家や演説家に成れるわけではないのです。
でも、日常会話レベルの英語なら全員パーフェクトな発音で英語をしゃべることが出来るのです。
ただし、自分が生まれ育った地方なまりの発音で・・・と言うことになりますが。
アメリカで生まれ育った子供たちも3歳くらいまでは、単語やフレーズレベルではまだ上手く発音
できないのです。
でも、発音記号レベルでの発音感覚が身についているのです。
単語レベルや、フレーズレベルの発音は、大きくなってからも個々に覚える必要があるのですが、
発音記号レベルでの音感が身についているので、始めて見た単語やフレーズでも正しい発音を
一度聞くだけで正確に発音できるのです。
ところが発音記号レベルの発音がマスターできていない日本人の場合、単語やフレーズレベルの
ネイティブの正しい発音を聞いただけでは、正確に発音することが出来ないのです。
そればかりか、実は正しく聞き取ることも出来ないのです。
残念ながら、3歳以降に、絶対音感や、発音記号レベルの音感を自然に身に付けることは人間の
生理上できないことが生物学的に証明されているようです。
フルートや他の吹奏楽器の場合、2歳や3歳のころから吹き始める人はまずい無いと思います。
ピアノとかはかなりいるようですが、吹奏楽器は幼児にはキーを全部指で押さえられないし、
肺活力が無いので無理です。
吹奏楽器を習い始めるのは、小学校の高学年から中学校に入ってからという人がほとんどだと
思います。
理想的には小学校のできるだけ早い時期で、中学校に入ってからではちょっと遅すぎると思います。
しかし、大人になってから吹奏楽器を始める人に希望がないわけではありません。
ロングトーンやスケールの練習を徹底的にすることで、中学生以降の大人になってからでも、
吹奏楽器できれいな音を出すことは十分可能なのです。
だから、吹奏楽の全国大会に出場するような学校ではみんなロングトーンの練習に多くの時間を
あてているのです。
僕の場合、フルートは大学に入ってから、独学で始めました。
別にフルートが特に好きだったわけではなく、比較的音が小さくて持ち運びに便利なこと。
それと、隣の部屋に住んでいた大学のクラスメートK君がフルートを習いたいと言うことで、
そのK君と一緒にフルート買ったのが始まりです。
K君は、ミヤザワの中級品で、僕はヤマハの一番安いのから2番目くらいのやつでした。
K君のフルートのほうがかなり良いやつで羨ましかったのですが、彼はなかなか良い音でが吹けるように
なりませんでした。
でも、僕はすぐに結構良い音で吹けるようになりました。
それは、僕が中学校のときトロンボーンを吹いていた経験があったからです。
フルートとトロンボーンの吹き方はぜんぜん違うとも言えますが、同じ吹奏楽器なので似たところも
あるのです。
音を出す前の、基本的な口の構え方はフルートもトロンボーンも同じだと言えます。
僕がK君より早く上手になれたのは、ロングトーンの練習の仕方を知っていたのが決定的な違いのように
思います。
K君は、曲ばかり吹いてロングトーンの練習をほとんどしなかったのですね。
僕は、曲を吹くよりもロングトーンや機械的な音階練習にほとんどの練習時間を割いていました。
数ヶ月たつと、僕とK君とでは音質に決定的な違いが出てきました。
K君は、僕が良い音がすぐに出せるようになったのは、僕が中学校のときにトロンボーンを吹いていた
からだと単純に思っていたようです。
なぜこんなことを長々と書いたかと言うと、
じつはあのころの経験を思い出して、英語の発音にも、あの練習の仕方が当てはまるのではないかと
あるときふと思ったのです。
英語の発音を上達させるには、フルートでのロングトーンのような音作りをする上で、最も基礎的な
練習、つまり単語以前の全ての英語の発音に共通する発声練習、が必要なのではないかと思った
のです。
それが何かと考えたところ、唇の筋肉、喉の使い方、を英語用に変えるための発音記号レベルの
発声練習がそれに当たると思いました。
それまで、すべての発音記号の発音練習だけを、フルートのロングトーン練習のように毎日集中的に
やったことはありませんでした。
ただネイティブの発音を真似て発音するだけでなく、最初のうちは、発音記号の一つ一つについて舌や唇、顎などの動きを解剖するように研究、観察するところから始めました。
もしあなたが、いま高校や大学の受験生ならそんな悠長なことをやっている暇は無いと思います。
ここでお話しするような発音記号レベルの徹底した練習はしなくてよいと思います。
めでたく希望の学校に受かってから落ち着いてやるほうが効果があります。
受験勉強では試験で良い点が取れればいいので、英語がきれいな発音で話せるようになる必要など
まったくありません。
入試の英語では、フルートの実技試験のようなものはないので、きれいな発音が出来るかどうかは
問われません。
文法の知識や単語の数だけが問題になります。(外大とかだとあるのかもしれませんが、そんな大学を
受けようとする人は英語が三どの飯より好きな人たちなので、英語の勉強法がわからなくて悩むことは
無いはずです。)
僕がここでお話しているのは、英語をカッコよくしゃべれるようになりたいけど、どのように勉強して
よいのか分からなくて悩んでいる人のためです。
もとから英語のセンスのある人は、英語の勉強は苦にならないのです。
〇X問題なら、文法的に解らなくても、なんとなくの感覚で答えて正解が得られるのです。
英語のセンスの無い人は、なんとなくの感覚で答えを選ぶと不正解のわなにはまるのです。
頭の良し悪しではなく、英語の感覚があるが無いかの違いです。
英語の感覚がないと言うのは、別の言葉で言えば「英語音痴」と言うことです。
ここでお話しているのは、
英語の感覚が無い「英語音痴」の人が、英語の感覚を身に付けるためにはどうしたらいいのか、
その方法についてです。
英語の絶対音感が無い人でも、
練習によって絶対音感に近い感覚を身に付けるための方法です。
それが、発音記号レベルの発声練習をすることなのです。
英語が苦手だと言う人も、発音記号は知っているのですが、発音記号レベルの発声練習をやっていない
のです。
実際の英会話では、発音記号レベルで音を切って発音することはまずありません。
だから、単語やフレーズを発音記号に置き換えて発音しても、実際には英語らしいスムースな発音には
なりません。
日本語なら、「あいうえお」が正確に発音できるようになれば、どんな言葉でも正確に発音できます。
それは、日本語の場合ひらかなの「あいうえお」=「発音記号」だからです。
これを言語学では「日本語はホネティック(Phonetic)言語」だと言います。
ところが、英語の場合アルファベットのABCと発音記号が一致していません。
つまり英語はホネティック(Phonetic)言語ではないのです。
これが日本人にとって、英語の発音を正確にすることを大変難しくしている理由です。
そして、さらに難しくしているのは、日本語にはカタカナ英語があること、とローマ字が日本語になって
いることです。
そのために、英語の単語を見たり聞いたりすると、日本人の頭の中ではローマ字やカタカナ英語に
自動的に置き換えられて認識されてしまうのです。
これが、日本人にとってものすごく大きな障害となっているのです。
僕は今アメリカに住んでいるので、アメリカに住んでいる日本人を沢山知っています。
その人たちのほとんどはもう何年もアメリカで暮らしているのに、発音に関しては日本に住んでいる
日本人の英語の発音とほとんど変わりません。
アメリカに住んでいるだけでは、英語の発音は何年たってもネイティブのように自然に出来るようには
ならないのです。
日本人の場合、大人になってからアメリカに住んでも、見たり聞いたりした英語の単語が、自分で
発音するときには、ローマ字の発音やカタカナ英語の発音になってしまうのです。
これは、ちょうど音痴の人が歌をうたっているのと同じような現象です。
音痴の人は、自分が歌っている歌の音程が狂っていることが自分では認識できないのですね。
だから、人から「お前、音程・・狂っているぞ!」とか言われても、どう直したらよいのか解らないのです。
歌なら、周りの人が音程狂っているぞと注意してくれるかもしれません。
でも、英語の場合、周りにいる日本人はみんな英語音痴なので、誰も注意すらしてくれないのです。
だから、ネイティブの人が聞けば耐えられないほどひどい発音ても、日本人同士の間で英語を話して
いる限り、自分の発音が駄目なことに気付くのは難しいのです。
だから、大人になってからネイティブに近い発音で英語を話す為には特別な訓練が必要になるのです。
それが、今までに紹介した「アヒルの体操」であったり「英語喉」であったり「発音記号レベルの発声練習」
なのです。
それぞれの練習法を組み合わせてさらに自分なりに研究と工夫を加えて練習すれば、知っている文法
や単語の量とは関係なく、だれでもかなり短期間で、限りなくネイティブに近い発音が出来るようになると
思います。
ネイティブに近い発音が出来るようになってくると、今まで聞き取れなかったネイティブの子音や
無声音の発音そしてリエゾンによる発音の変化など微妙な音の違いが聞き取れるようになってきます。
単語やフレーズなども正確な発音とともに覚えられるので、しだいに単語やフレーズなどが覚えやすく
なっていきます。
それらの相乗効果で、英語全体の習得速度も飛躍的に加速されていきます。
たとえば日本人がよく間違えるLとRのスペルの間違いなどもなくなります。
ネイティブもスペルの間違いはよくしますが、ネイティブにとって「LとR」の発音は「AとB」と同じくらい
違うので、発音どおりにスペルを書けばLとR、を混同するというような間違いはしないのす。
ではここで、発音記号レベルの発音を習得するのに便利なサイトを二つ紹介します。
これ以外にももっとよいサイトがあるかもしれません。
もしあったらコメントに書き込んでください。
英語発音入門
http://kccn.konan-u.ac.jp/ilc/english/index.html
英語発音マップ
http://jipanglish.com/pronunciation/map.php#tb
注意: 以上の説明は、日本人にとって英語の発音が何故難しいのかを、解りやすく比喩的に説明したものなので、必ずしも学問的に正しい説明ではないことを断っておきます。
次回は、総合的なまとめとして、英語が苦手な人が、英語を効率よく習得するための注意点などをお話しようと思います。
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