フルートの音出し、倍音練習 3
先回は倍音には純正律と平均律という二つの違った倍音がある。ということを紹介して終わりました。
今回は、その二つの倍音の違いと、いよいよ具体的な練習方法のお話しをしていきます。
まず、倍音の純正律と平均律の違いですが、まず平均律から説明します。
平均律の倍音は1オクターブの「ド」から「ド」の音までを半音ごとに区切って並べると12個の半音が並びますね。
つまり1オクターブは全部で12個の半音で出来上がっているわけです。
その場合、「ド」の12分の2倍音は「ド#」ということになります。
「ド」の12分の3倍音は「レ」ということになります。
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・
「ド」の2倍音は1オクターブ上の「ド」ということになります。
これはピアノの鍵盤の並び方をよく観察すればその様子がよく解かりますね。
なので、ピアノは平均律の代表的な楽器だと言うことができると思います。
平均律の倍音は見た目に綺麗に並んでいるので分かりやすいです。
ただし、何故「ファ」と「シ」が半音だけしかないのか?そして他の音と同じように1音差があるように聞こえるのか?僕は未だに疑問に思えて仕方ありません。
なので、僕は説明できません。もし上手に解かりやすく説明できると言う人がいましたら、コメントに書いて下さいね。
では次に、純正律の倍音について説明します。
なんて、偉そうに言っていますが、前にも言ったように僕もまだハッキリとは理解していないのです。
でもまあ、フルートの倍音練習をする上で少しでも助けとなればええのじゃ!
と割り切って、僕が理解している範囲で説明していくことにします。
なので、もし間違ったことを言ってたらコメントでまた指摘して下さい。
純正律の倍音を使って音を出す代表的な楽器はトランペットだと思います。
特にファンファーレ用のトランペットや進軍ラッパなどは音を変える為のピストンが全く無いですよね。(これらは正式にはトランペットとは呼びません)
それでも、何種類かの音を出すことが出来ます。
それらの音は、倍音によって出来た音です。
この倍音はピアノのように1オクターブを12の半音に分けたものとはかなり違います。
どんな感じで音が出るかというと、
「ド=C」・・・と英語表記で書いた表がありますので見て下さい。
・基音(第1倍音 低音C)
・第2倍音(中音C)[基音の1オクターブ上]
・第3倍音(中音G)[基音の1オクターブ+完全5度上]
・第4倍音(高音C)[基音の2オクターブ上]
・第5倍音(高音E)[基音の2オクターブ+長3度上]
・第6倍音(高音G)[基音の2オクターブ+完全5度上]
こんな感じでピストンの無いトランペットでもこれだけの違った音を出すことが出来るのです。もちろんもっと高い音も理論的には出せます。
ピストンのある普通のトランペットは長さの違うパイプを何本か寄せ集めて、マウスピースとベルの部分だけを共用して、上の表以外の全ての中間の音を出せるようにしているだけです。
つまり1本に見えるトランペットは、実は数本の長さの違うトランペットを寄せ集めたものだということですね。
なので、トランペットは純粋に純正律の楽器だといえると思います。(多分)
フルートとは音の出し方が全然違いますね。
ところが、実はフルートもこれと全く同じ様に音を出すことが出来るのです。
エ〜?
と思う人もあるかもしれませんが、フルートの最低音の「ド」の音の運指のままで、まず普通に「最低音のド」を出します。次にそのまま、息をやや強く細めにして吹く様にするとある時点でいきなり裏声のように高い音が出ますよねこれが「中音のド」の音です。
低音の「ド」の音より1オクターブ高い「ド」の音なのです。
つまり、上の表の「第2倍音」の音を出すことが出来たのです。
でもフルートの場合、正規の運指で出した「中音のド」の音とは音程が不安定で、音色も汚いと感じると思います。
その一番の原因は、普段倍音での音出し練習をしていない人は唇の形を正確に作れないからです。
もう一つは、正規の運指で出す音とは管の長さが変わるので、余計な倍音が含まれているので、正規の運指で出す音と比べると少し濁った音色に聞こえます。
それでも、練習することによって上の表に書いてある全ての音をある程度綺麗に出すことが出来るようになります。
少し勢い良く低音の「ド」を吹くとピーッと高い音が出てしまう失敗をだれても経験していると思います。
その誤って出てしまった高音が倍音なのです。
この練習はフルートの場合、曲を演奏する上では直接的には必要ないことです。
倍音は特に練習をしなくても、一部の現代音楽などを除けば全て演奏は可能です。
でも、前にも書いたように、この倍音練習を沢山することによってフルートの音の繋がりやイントネーションなどをよりスムースにコントロールできるようになれます。
特に高音域の音が出しやすくなり普通の運指で音を出した場合、今までよりきらびやかで済んだ音色を出すことが出来るようになると思います。
これは、僕だけでなく多くの人がそう言っているので間違いないはずです。
本当は今回、その具体的な練習法もお話しする予定だったのですが、思った以上に理論のほうがまた長くなってしまったので、残念ながら次回にすることにします。
では次回をお楽しみに。
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