フルートの音出し、倍音練習 4
何故今まで長々と理論の話をしてきたかというと、フルートで倍音の音出し練習をするときには、
理論をある程度理解した上でやらないとかえってマイナス効果になってしまう可能性があるからです。
それは、普通の運指での音出しなら、今自分がどの音を出そうとしているのかが指の形で分かるのと、
普通に吹けば運指表に載っている目的の音を出すことが出来ます。
なので、初心者の人にとっては偶然出た倍音が何の音か分かりません。
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だから、偶然音を出すことが出来たとしても、その音を正確な音程と、より良い音色に調整することが
出来ないのです。
自分が何の音を出しているのか判らないまま、がむしゃらに倍音の高い音を出す練習をしても正確な
唇の形を作り上げるのに時間が掛かったり、悪い癖をつけてしまって将来その悪い癖を直すのに苦労する
ことになったりするからです。
なので、倍音の音出し練習をするときには最初から自分がどの音を出そうとしているのかと言うことを
ハッキリと意識してやる必要があるということなのです。
トランペットなどの金管楽器の場合は純粋な純正律の倍音で全ての音階を出すことが出来るので、
倍音の練習は特に理論を意識しなくても運指だけを意識すればいいのです。
ところが、フルートの場合正規の運指と倍音での運指とはほとんどの場合一致していません。
倍音を実際の演奏で使う場合は、あくまでも替え指として使います。
これも金管楽器と木管楽器の大きな違いだと思います。
最近のフルートは、全部金属で出来ているのに木管楽器として扱われている一つの理由はそこにも
あるんじゃないかな?とか思っています。
ところでフルートは純正律の楽器でしょうかそれとも平均律の楽器なのでしょうか、
どちらだと思いますか・・・?
・
・
正直なところ僕は学問的には正しい答えは知りません。
そのうち調べようと思いますが、知ってる人がいたら教えて下さい。
現時点で、僕が思うに両方じゃないかと思っています。
フルートが平均律の楽器であると思える点は、低音の一オクターブはキーによって綺麗に12等分されて
音を出すことが出来るからです。
そして、純正律の楽器だと思える点は、1オクターブ以上の音は純正律の倍音を利用して音を出すように
なっていること、そして正規の運指以外の純正律の倍音を実際に出すことが出来ます。
そういうことから、フルートは純正律と平均律の両方の倍音を利用して音を出す楽器だといえると
思うのです。
それを基にして、キー(穴)を沢山つけることによって純正律の倍音も出せるようにしている楽器だと
思います。
ただし、長さの違う竹の筒を並べて作ったパンフルートは明らかに平均律の楽器ですね。
皆さんはどう思いますか・・・?
そのうち答えがハッキリわかったら、ここに正解を書き加えることにします。
また理屈が長くなってしまいましたが、今回は頑張って練習法を続けて書くことにします。
では、いよいよ具体的にフルートでの倍音の音出し練習法の説明をして行きます。
練習をするときに、一つだけ道具が必要です。
どんな道具かと言うと、音合わせ用の電子チューナーです。
これは、ほとんどの人が既に持っていると思いますが、まだ持っていない人のためにどんな物か、
一応下に紹介しておきます。
YAMAHAクロマチックチューナー TDM-70A
電子チューナーが必要な訳は、純正律の倍音は平均律の倍音とは同じ唇の形で吹くと微妙に音程が
ズレるからです。
電子チューナーが手元に無いときには、正規の運指で同じ音を出して聞き比べる必要があります。
これをしないと、将来純正律で出した音を替え指として使うことが出来ません。
逆に言えば、純正律の倍音を正確な音程で出せるようになれば、それだけ利用できる替え指が増える
ことになるので、将来難しい曲を演奏するときに役に立つことになります。
それから、倍音の練習をするときにはいつも、どの音を出しているのかと言うことをハッキリと意識して
音を出すことがとても重要です。
フルートの場合、C〜E♭(ド〜ミ♭)までは通常第5倍音までを出すことが出来ます。E(ミ)から上は
第4倍音までしか綺麗には出せません。
この練習は基本的に全てロングトーンでやります。
まずは、「最低音C」の音を出します。次にそのままの指の形で、少しづつ息を強く細めにしていって
「中音C」を出します。そのときいきなり強く息を吹き込むと「中音C」より高い音がでてしまうことが
あるので気を付けましょう。
それが出来たら、さらに息を強く細くして「高音C」を出します。次は「高音E」です。
最初はここまで出来れば上出来でしょう。
ここまでの練習を毎日ロングトーンの練習のときに一緒にやってある程度音が楽に出せるようになったら、
次はさらに強く細めの息で「高音G」を出せるよう挑戦して見ましょう。
ここまで出せたら十分です。その上の倍音も練習しだいでは出せるようになりますが、あまり
実用的ではないです。
何日か練習をして、第5(または第6)倍音まで音が出せるようになったら、今度は自分が出せる
最高音から、順番に下ってくる練習もしましょう。
次は運指をC♯に変えて同じ要領で音を出す練習をします。
低音C♯
中音C♯
中音G♯
高音C♯
高音E♯(F)
高音G♯
次は、また同じ要領で指を低音D、D♯、E、E♯・・・という風に運指を半音ごとに進めて、
中音のC♯までやっていきましょう。
ただし前にも言ったようにC〜E♭までは第5倍音まで出せますが、同じ要領ではE♭から上は
第4倍音までしか出せないので、無理して第5倍音まで出そうとしなくていいです。
特に左指の領域になると沢山の倍音を出すのはもっときつくなってくるので、理論的には上に
書いたような倍音が出せるのだ、と言うことだけ頭に置いて、実際には音が出せなくてもがっかりせず、
あまり無理しないで毎日少しづつ挑戦していくことが肝心です。
この練習は、普通の運指で吹いた時に、より楽に綺麗な音を出すための、唇の筋トレなのだと割り切た
考え方でやってもいいと思います。
上に書いたような基本的な倍音練習が出来るようになったら、いつも同じパターンでやるのではなく、
あとは自分なりに工夫して独自の練習ほうでやればいいと思います。
このテーマは最初思っていたよりかなり長くなってしまいましたが、これで倍音の練習法の説明を
全て終わることにします。
次回はまた何か別のテーマでお話しをします。
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