このミステリーフルーティストは誰だ??
2013年06月12日 06:58
| フルートに関する情報と雑談

この曲を演奏しているフルーティストは誰でしょう?
というクイズを出して、実験した結果についての報告と、
解説です。
これは僕がやった実験ではなく、
あのNina先生がやった実験です。
面白いと思ったので、ここで解説することにしました。
今回の実験で使ったフルーティストは誰でも知っている超有名なフルーティスト、
サー・ジェームス・ゴールウェイです。
実験の結果、多くの人は確信を持ってこの曲の演奏者は
ジェームス・ゴールウェイだと言いました。
何故そう思ったのかと質問すると、彼の独特のビブラートと音色から判るということでした。
もしこの実験に僕が参加していたら、たぶん僕も名前を当てることができたと思います。
ただ、この実験で使われた録音はかなり古く、フランスで録音されたもので一般には
ほとんど知られていない録音のようです。
この動画のバックで流れている曲です。
なので、当たらなかった人も何人かいたそうです。
面白かったのは、当たらなかった人に質問して、何故ゴールウェイだと判らなかったのか?
という問いに対する答えです。
当たらなかった人の多くも一度はゴールウェイではないかなとは思ったそうなのです。
でも彼らの多くは、最近のゴールウェイの演奏をよく知っているので、
ゴールウェイの演奏に似ているけど、そうじゃないかもしれないと思ったのだそうです。
音色や、演奏の仕方が微妙に違うのです。
特にビブラートのやり方が違うと思ったようです。
ゴールウェイのビブラートは非常に特徴があるのであのビブラートを聴くとすぐに
ゴールウェイだと判るのだけど、この録音にはあの特徴的なビブラートがどこか違う。
それと、彼の低音部の音も特徴的なのだけど、この録音ではあの独特の低音も
どこか違うように聞こえる。
などが主な理由だったようです。
確かに僕も同じように感じます。
ここから、Nina先生のコメントになります。
ジェームスゴールウェイは万人受けする演奏法を確立しようとして
常にころころ変えるようなことはしなかったそうです。
一度自分の演奏法を確立したら、一つの演奏法を貫いていくやり方です。
しかし、いったん確立した演奏法をいつまで同じ形を保っていたわけではありません。
時代とともに少しづつ変化させていきました。
だから、現在のゴールウェイの演奏と昔のゴールウェイの演奏を比べると同じようでも
微妙な違いがあるのです。
しかし、ほとんどの人がこの演奏をはゴールウェイの演奏だと確信を持って
答えることが出来たのは、
ゴールウェイが基本的に一つの演奏法を貫いているからです。
このことはフルーティストとしてそして芸術家として成功するために大変重要なポイントです。
そして、フルートを教える立場にある教育者にとってもこのことを
しっかりと学生に教えていくことが重要だと思っているのです。
フルートを学ぶ若い学生は先生の教えることに対してほとんど何も疑問を抱かずに
先生から言われたままを吸収しようとします。
成長してきた学生は先生から教えられたことを実践してみて、自分が経験したことを基にして
自分の耳で確かめながらそれをガイドとして学んでいきます。
若いプロのフルーティストになると、
自分が今までに学んだことを全て吸収して、
自分のものとして使います。
最後の過程が最も重要な学びの時期で、
その時期には偉大なフルーティストの技術を吸収するために
ビブラートのつけ方やトーンカラーやフレージングなどを
そっくり真似てコピーしようとします。
これはフルーティストとして成長していく過程でとても重要なことです。
しかし、最終的には私たちはカーボンコピーのようにほかのフルーティストの
単なる物まねには成りたくないのです。
最終的にはそれまでいろんな偉大なフルーティストの演奏技術を
コピーして行く過程で学んだことを基にして、
自分だけが持っているユニークで個性的なフルーティストに成ることが重要なのです。
そしてプロのフルーティストとして自分だけのユニークな演奏法を確立して行くのです。
では、一旦そのようなユニークな演奏法を確立して世の中から
認められるようになったフルーティストは
もう一生そのスタイルを変えないのでしょうか?
そんなことは無いと思います。
そのことは、今回のジェームス・ゴールウェイの実験で立証出来ました。
今回のゴールウェイの演奏を聞いた多くの人は、ゴールウェイの演奏のようだけ
どゴールウェイではないように感じるとか、
ゴールウェイのようだけど、30年前のゴールウェイじゃないかという風に聞こえる・・・・。
など、とにかく今のゴールウェイトの演奏とは違って聞こえるという多くの意見がありました。
つまり、ゴールウェイのような偉大な芸術家であっても、時とともに少しづつ演奏法は変化して
来ているのです。
それは、多分同じ演奏法をしていると退屈になってくるからだと思います。
観客もそうです。
常に新鮮さというものが必要となってくるのです。
それは環境の変化やいろんな要因で変化し進化して行くのです。
ゴールウェイのような多くの人が認めるユニークな演奏法を確立し
頂点に達したアーティストの場合、
20年前と今と比べて今の方が良くなったとか、
悪くなったとか言うことはないのです。
ただ単に、違った演奏法をしているというだけなのです。
だから、それらの偉大な芸術家たちも全ての人に好かれることを目指すことが
ゴールなのではなく、
自分の演奏に共感し心を開いてくれる人々の心の琴線に触れることで、
その人たちに心のそこから感動を与えることなのです。
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